中間発表会 〜令和5年度公開授業〜

公開日: 2024年2月22日木曜日

熊本の魅力を伝えるCMソングづくりは、いよいよ中間発表会になりました。

発表会は、子どもたちが発表することを楽しみにしている時間なのですが、ともすると作品の羅列になってしまい、つくり直しの視点を得ることなく終わってしまうことがあります。とくに、今回は中間発表会と位置付けていましたので、つくり直したくなる発表会になればと思って取り組みました。

そこで、ある班の困りごとを最初に紹介することから始めました。
かずやくんは前の時間の振り返りのときに「ぼくたちの班はほとんどできているけれど、最後のところがどのようにおわるとよいかわからないです。」と話していました。その困りごとの詳細をたずねてみると、「印象に残るように終わりたいのだけれど、そうなるようにするにはどうしたらいいかわからない」とのことでした。

中間発表会の冒頭にその困りごとのことをかずやくんが話してくれました。
すると「『難攻不落の武者返し』っていう歌詞をつくったんだけれど、そこのところが言葉が多くて1小節に入りきらない。」という困りごとを発表しました。これは、当初私が捉えていた「終わり方のイメージにピッタリ合うものがない」ということとは異なっていました。どちらかというと、言葉数が合うリズムを探したいということでした。
この困りごとについて、しかし、公開授業ということもあり、そちらの課題ではなく、もともと用意していた課題「どんな終わり方にすると印象に残る終わり方になるか」を設定して取り組みました。このちぐはぐがもっともよくなかったと思います。

鑑賞は、時間的な制約がありましたが、すべての班がこの日までに発表したいという思いをもっていましたので、私が録音データを再生する形で進めました。また、鑑賞をするときは、スライドに1枚ずつ楽譜をうつして、どんな旋律なのかを確かめながら取り組むことができるようにしました。

すべての班の作品を鑑賞し終わったとき、残された時間はあと半分。
最後の音が♭ソになっている班が多いことに気づけるようにいろいろな問い方をしました。
「なにか気づくことはない?」
「この6つの班と3つの班で違うことがあるんだけど」
「最後の方がどうなっている?」
こういう問い方をしていると、子どもたちの思考は、私の中にある答えを探すということに終始してしまいました。

そこで、「最後の音に注目して」と声をかけ、
6つの班が最後の音が♭ソになっていることに気づけるようにしました。最後の音が♭ソの音になることで、終わった感じがするということをつかんだ上で、それぞれの班の作品の仕上げに取り組みました。

その後の様子は、班によって異なりました。
あるグループは音楽の終わり方に興味の湧いたグループはいろいろな音を試して自分たちの曲の終わり方に向かっていました。
また、あるグループはつくり残していた部分を再度考えるというつくりなおしをしていました。
一方で、曲のつくりなおしに向かわず、歌をつけた演奏をしたり、歌詞を書き換えたりするグループもありました。私はこのようなグループがあってもいいと思っています。ただし、それは自分たちの曲の完成に向けた方向性を見出し、必要感をもって行動しているという状況のときです。

子どもの学びへの欲求には階層があると思います。その欲求が高次なものであるときに学習が個性化していくと思います。高次な「したい」の姿であったかというと、そうではないように感じました。課題をとらえ、それに対して試行錯誤していく中でみつけたよさを生かすというクリエイティブな姿を生み出せるような授業の展開について、今後も考えていきたいと思います。


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