【研究授業】ようこそ!サウンドキッチン(音楽づくり) 2時間目

公開日: 2023年5月14日日曜日

音楽科の上原です。
紙を使った音楽づくり「ようこそ!サウンドキッチン」の2時間目を実施しました。

前の時間に今回の音楽づくりの4つの条件として、以下のことを確認しました。
・紙から生まれる音を使う
・テーマ「サウンドキッチン」(一皿の料理の準備から完成まで)
・サンプリングをする
・新聞紙から生まれた音を使う
・図形譜に表す

今日の授業は、表したい料理を決めてグループをつくり、いよいよ作品をつくっていく時間です。まず、前日の振り返りから始めました。

本校ではロイロノートというアプリを導入しています。私はこのアプリを使って振り返りの共有を行っています。お互いの前日の振り返りを読み合って、自分と同じか似たような料理をつくる友達を見つけていきました。メンバーの人数は3~4人と、幅を持たせました。できるだけ自分たちで調整しながらやりたいことが実現できるようにしていきました。休みの子どもも含めてまだ決めきれなかった子どもたちもいました。自分がつくりたいイメージに合う作品になるようによく考えていました。

今日できたグループは全部で8つです。選んだ料理は、
・とりの唐揚げ
・海藻サラダ
・サラダ
・ピーマンの肉詰め
・焼きそば
・チャーハン
・オムライスチャーハン
・中華の食べ物(ラーメン?)
となりました。

音楽づくりの様相は、大きく分けて2つのつくり方がありました。
①調理の行程を調べて、それに合う音を探すつくり方
②音をいろいろつくって、それが何に聞こえるか当てはめていくつくり方


①調理の行程を調べて、それに合う音を探すつくり方
「チャーハン」
ともこ:ご飯とたまごまぜて,炒めて…
はるか:まって,卵と混ぜてって書いてある。
ともこ:いい,いい,こっちでも作れるんだから。
はるか:そうか。
ともこ:で,ねぎ炒めて出来上がり。そしたら…今,炒めるできたよね。
(炒める音を再生)
はるか:これ入れ込もう。

チャーハンを選んだともこさんの班は、まずインターネットでチャーハンのつくり方を調べてカードにまとめていました。材料を切って、炒めて、まぜて、皿に出してという調理の手順を明らかにして、それに合う音を探していきました。しばらくすると,パラパラなチャーハンをつくる動画を視聴していました。
はるか:みてみて,これいいのあったよ。
ともこ:すごい。まずたまごじゃん!
きよみ:ねぎ,チャーハンにないもんね。
ともこ:あるよ,あった方がおいしもん。
実際の手順を動画で確認し、料理としてもよいものを自分たちの音楽作品に取り入れたいという思いをもっていました。みんなに聴かせる音楽作品にも関わらず、料理としておいしいかどうかを大切にしながら音探しをする姿に、強い思いをもって作品づくりに向かっていることを感じました。

②音をいろいろつくって、それが何に聞こえるか当てはめていくつくり方
ピーマンの肉詰めを表現しようとしていた子どもたちは、希望する子どもが多くて、6人組になりました。とにかくいろいろな音を出して、サンプリングをして、聴いて、撮り直してという流れを行いました。
特に、順調に音を集めていました。この班のゆうとくんの振り返りにはこのように書かれていました。

ゆうと
ぼくのグループは「切る音」「洗う音」「焼く音」「ピーマンを詰める音」「オリーブオイルをかける音」を作りました。
ぼくのお気に入りは「焼く音」です。2人は新聞紙を破いて破き終わったら新聞紙を丸めて、もう1人は新聞紙をこすり合わせて作りました。
次回はお皿を置く音とピーマンの肉詰めをお皿の上に置く音を作りたいです。

音探しと表したい様子を行き来しながら、調理の行程に必要な音を集めることができたようです。

これらのグループでの活動をした後、最後に集まって以下のようなやりとりがありました。
上原 :今日の学習,こんなこと取り組めましたって発表できますか?
けいご:今日はオムライスチャーハンっていうのを調べて,出てきたからそれについて,たまごを割る音とかをやったんですけど,特に炒める音がうまくいって,一回聴いてほしいな。
上原 :みんなで聴いてみようか。
子ども:おー。
   :焼く音がけっこういい音ができて聴いてほしい。
子ども:なんか似てるね。
上原 :今日は料理のつくり方で,ある部分の音はできたみたいだね。鈴木くんが言ったことをもう一回振り返ってほしいんだけど,一個の音だとただの音なんだけど,どうつなげるかで音楽になっていくんじゃないかってこと。「どうつなげるか」って考えていくとまたいいよね。
揚げ物チームの複数人:考えました!
上原 :つなげることについても考えていたんだね。そこの班は今度発表してもらおうかな。
揚げ物チーム:よっしゃあー。

揚げ物チームがどんなつなげ方をしていたかというと、唐揚げを揚げる最中、はじめの方と最後の方で衣の感じが変わって音も異なるという考えをもって、後の方がパリパリ感が出るような音にしていたというものです。1つの調理行程の中でも前半と後半で音を変えることは、音楽の仕組み「変化」を取り入れていると言える工夫だと思いました。一方で、まだまだ多くの班はリアリティの追求に向かい、リアルさを実現できたら発表したいと考えているようです。子どもたちが十分満足するまで音楽づくりをやりきるようにすることと、「つなげ方」に着目しながらということを発展させていくことを目指して、もう一時間グループでの音楽づくりに取り組んでいきたいと思います。


補足で、「海藻サラダ」のグループを紹介します。

このグループ、なんと、昼休みに自分たちで集まって、音探しをしていました。下の写真は、何かを切る音を探している様子です。

くみこ
今日、サウンドキッチンをしました。
今日の授業で私は「本当に新聞紙なのかなぁー」と思うような音をさとみちゃんと、ゆうかちゃん、かなこちゃんと作りました。私が担当している音は「レタス」と「きくらげ」をしました。レタスは新聞紙をちぎっている音で良かったけれど、「きくらげ」があまり出来ませんでした。きくらげに似ている音かあまりわからなかったけれど新聞紙をスライムみたいに、握っている音をしたら、少し近づけました。もっときくらげに少しでも近づける音を探してみたいです。


このような「子どもたちが自ら学びに向かう姿」がもっと生まれるよう、本題材を一層頑張って取り組んでいきたいと思います!


音楽科
上原正士

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