「朧月夜」実践編

公開日: 2016年12月21日水曜日

「朧月夜」実践編

5年次に、歌詞に注目して「赤とんぼ」の歌い方の工夫を考えた子供たち。
6年次「朧月夜」(斉唱)ではどうなるのでしょう。

初発の主な気づき、感想、困り感は次の通りでした。
・ゆっくりな曲
・静かで落ち着いた歌
・田舎の田んぼのイメージ
・おじいちゃん、おばあちゃん
・懐かしい感じ
・3拍子
・始まりがはみ出している(弱起)
・言葉が難しくてよくわからない。
・2番まで。楽譜は繰り返し。1番と2番の歌い方は同じでいいのか

下線部の発言に赤とんぼとの繋がりが見えます。
子供達の1番の困り感は歌詞の意味がわからないことと、弱起のリズムが歌いにくく、フレーズの最初が小さくなるということでした。まずは範唱CDを元に歌唱の練習をし、歌詞の意味を確認しました。
より豊かに表現するにはどういう学習をするか尋ねたところ、お手本と自分たちの違いを探したい、歌詞に合わせて歌い方を変えたいという意見が出てきたので、それを後半の学習内容としました。
範唱CDを鑑賞すると次のような気づきがでました。
・3拍目が大きい
・赤とんぼと一緒で、音が高いところは大きく、低いところは小さく
・お手本を聴いていると、つながっている感じと終わっている感じがある。
気づきをもとに、1番の練習をしました。
2番は変えたいという子どもたち。なぜ?と問うと、
・歌詞が違う。「も」がいっぱいだから。
との答え。一番は前半と後半で歌詞の内容が分かれているけれど 、2番は里わの火影、森の色、田中の小道を辿る人、蛙の鳴く音、鐘の音、全部並べ立ててつながっているから、何かを変える必要があるという考えです。
ではどう変えるのか。何を変えられるかを問うと次のような答えが返ってきました。
・赤とんぼと同じように強弱と速さ。
・音色は途中で変える必要はないと思うから今回はいらない。

今回は歌いながら全体で検討するようにしました。
・2番の方が興奮している感じがするから、全体で歌いながら的に大きめの方がいい。
ー試唱ー
・歌詞が全部つながっているから、2段目で終わった感じにしない。
    次へ向かって大きくする。つながっているところは音が低くなっても小さくしない。
・興奮している感じは、だんだん大きくした方が出る。4段目最後が一番大きい。
ー試唱ー
・大きくしたままだと「においあわし」の感じに合わない。
・「夕月かかりて」まで興奮して大きく歌った後、急にゆっくり、小さく歌ったらどうか
ー試唱ー
・イメージに近づいたと思うけど、最後はもっと息を混ぜた、かすれた感じの声にしたらいいと思う。やっぱり音色も変えられた。

最後は全体で考えた表現を歌って確かめ、以下の内容も明示しました。

着目した要素:強弱、速度、音色
関連づけて考えた要素:歌詞、作詞・作曲の背景等
今回の学習でも、これらをもって多面的に楽曲を捉えて表現を工夫した、ということ
以前の学習との繋がりが、子どもたち発言のあちこちに見られました。
繰り返しこのような学習をし、自覚化・道具化させていくことで、楽曲を多面的に捉え、考えていくことが汎用的スキルとして身についていくものと考えています。

中島

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